カテゴリ:私の本だな( 66 )
私の本だなから 4月 ~「桐島、部活やめるってよ」 朝井リョウ
c0138704_20575353.jpg繊細なガラス細工を覗いてよく耳を澄ますと、ガラスの隙間からやさしい音楽が流れている…そんな本。
なんというか、哀しいとかというのではないけれど何度か涙が溢れてきて…胸がキュウンとなる。
やはり、愛おしいという言葉がしっくりくるかもしれません。
交わされる言葉の隙間の交わされていない言葉が17歳を目覚めさせる…。
文章はときどき詩のようになってゆるやかに入ってきます。

特に好きな一節、
「僕らには心から好きなものがある。それを語り合うときには、かっこいい制服の着方だって体育のサッカーだって女子のバカにした笑い声だって全て消えて、世界が色を持つ。」
by nahonews | 2010-04-30 20:57 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから ~3月 「少女パレアナ」 エレナ・ポーター
c0138704_1125083.jpg今月いっきに読んでしまった、エレナ・ポーターの「少女パレアナ」。
ずいぶん前から本だなの奥底にあったのを見つけて…。以前読んだかもしれないが、
夢中になってしまった。
どんなことにも喜びを見つける遊び…「喜びの遊び」を町の人々に広めていった(それは自然にひろがってしまったのだけど)パレアナ。
喜びを見つけることが難しい(辛いこと)ほど見つけたとき喜びは大きいのです!

この本は昭和43年17版のもので表紙がルノアールの絵だけれど、
新しいものは違うイラストになっていると思います。
今は続編「パレアナの青春」を読んでいます。
by nahonews | 2010-03-31 11:19 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから ~2月 「遠くの町と手としごと 」三谷龍二
c0138704_14423027.jpg2月があっという間に終わってしまい、「私の本だな」紹介が3月にはいってしまいました。
2月は「工芸三都物語 遠くの町と手としごと」という本です。
著者は木工デザイナーの三谷龍二さん。
生まれた福井から始まり、京都、そして松本へと手を動かしものを作る著者の思いが旅をするように流れてゆきます。
はっとしたり、ときにどきどきしたり、じ~んと考えたりさせられました。
そして、2月の終わり、京都のモーネで三谷さんのお話会があり、もうワクワクしながら会に参加しました。
この本のなかの特に、「手とこころの関係」の章は読んだとき、なにかどきどきして、なぜだろう?と半日考えて、そうだ「共感」したんだ!という自分に気付いたのでした。(これは単に鈍感というものかな)

以下はモーネの井上由季子さんとの出会いから書かれた文章です。
~ものを作るということは…人間のもっと本能的な部分につながっているのではないでしょうか。
素材に触れるよろこびや、ものが自分の手から生まれるよろこびは、ものを使うよろこびと同じ質のものだから、こんなに複雑な社会のなかで、もっと単純に人が生きていけるということや、手間をかけて暮らすことの気持ちよさ、頭だけでなく手を動かすことの大切さを伝えることも、もの作りの仕事といっていい…もっと単純な仕方で、僕たちは生きていける。どこか遠くへ行かなくても、ここにいて豊かな世界に触れることが出来る~(抜粋)

「生きていく」ということはどういうことか。
なにかと分野別にしがちな(たとえば理系とか文系とか他いろいろ)いまの社会のなかで、そうではなく、
医学も科学も工学も心理学も社会学も経済学も文学も芸術も、他にすべて!は繋がっていると思うのです。
また、ここのところ、その繋がりを見つけたときわ~っとうれしくなる。
なぜだろう?そうです、あとで分けたからです、繋がっているものを分野別にしてややこしくしている!
もっとも人間が最初にかかわる「子育て」と「教育」…。
ここに戻るとつながりがみえる、いたってシンプルだということがみえてくるのです。
by nahonews | 2010-03-05 14:42 | 私の本だな | Comments(0)
読書の連鎖
c0138704_15362056.jpg松井るり子さん著「絵本でほどいてゆく不思議」のなかに、
「イオマンテ  めぐるいのちの贈り物」という絵本が紹介されています。
図書館で借りて読んでみました。

~…こどもたちよ、よくおぼえておくんだ。
ひとつぶのあわもひえも、一切れの肉も魚も、みんないのち。
わたしたちは、いのちをたべている。
いのちと魂との、おおきなめぐりのなかにいる。
すべてはめぐるいのちのめぐみ…。

アイヌの生活ではイオマンテ(熊送り)、熊を神に送ります(つまり生き物を殺して食べる)。
食べると言うこと自体が生きることに直結しているなあ。

松井るり子さんは著書のなかで、「…生肉を切ったり、葉っぱの青虫と糞を取りのけたり、油汚れやゴミを始末したりすることこそ、生き物を殺して食べて生きる自分をごまかし切らない大事な瀬戸際です。…」といっておられます。

それからなにげにソファに置いてあった息子(高2)の教科書(現代文)を捲っていたら、興味深い文章を見つけました。

~…家庭と学校という場所は、いのちのやりとりというこの大事なものを深く体験するためにあるはずだった。
…幼稚園ではいっしょに歌い、いっしょにお遊戯するだけでなく、いっしょにおやつやお弁当も食べる。他人の身体に起こっていることを生き生きと感じる練習だ。そういう作業がなぜ学校では軽視されるのか、…歌やお遊戯、給食。みなでいっしょに身体を使い、動かすことで、他人の身体に起こっていること(つまり、直接に知覚できないこと)を生き生きと感じる練習を、わたしたちはくりかえしてきた。身体に想像力を備わせることで、他人を思いやる気持ちを、つまりは共存の条件となるものを、育んできたのである。…~

わ~っ、「イオマンテ」とおんなじことを言ってる!
「悲鳴をあげる身体」(鷲田清一)という本の抜粋でした。
哲学書に分類されるこの本は私には難しいところもあるけれど、もっともっと
生きるうえで大切なところがいくつかありました。

読書家でないわたしですが、
一冊の本から、次々に本が繋がっていく面白さに、今はまっています。
by nahonews | 2010-02-11 15:36 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 1月 ~「たいせつなこと」
c0138704_11321753.jpgそらは いつも そこに ある

まぎれもなく あおくて
たかくて くうきに みちている
そして ときおり
くもが とおりすぎていく

でも そらに とって
たいせつなのは
いつも そこに ある
と いうこと

…昨年秋、岐阜市内の絵本屋さんで見つけた絵本。
最後のページにはほんとうに大切な一節が書かれています。
じいんと、立ち尽くしてしまいました。c0138704_1133388.jpg

マーガレット・ワイズ・ブラウン さく
レナード・ワイズガード え
うちだややこ やく
(フレーベル館)
by nahonews | 2010-01-28 11:32 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 12月 ~「こもりうた」 
c0138704_15172322.jpg今月は、ビー・ピー・二コル詩 アニタ・ローベル絵  松井るり子訳の「こもりうた」(セーラー出版)という絵本。
むかしも今も子どもを寝かしつけるのに苦労していたのは変わらないんですね。
まず、絵本全体の色が深い美しい色ですぐに好きになりました。
そして、イラストは見開きから、舞台の幕が上がるように始まります。
一つ一つの画面を見ていると、作家(絵描き)のむふむふという笑いがこっちまで伝わってくるような、すみからすみまで見逃せない楽しいイラストです。

とうさんが わかい おうまの ときは ひぐれにゃ ヒヒンと ねたものだ

かあさんが かわいい こうしの ときは そりゃモー きちんと ねたものよ

… 訳者の松井るり子さんの楽しい楽しい日本語訳です。
寒い日に温かい美味しいココアを飲んでふ~っとするような そんな絵本です。 

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by nahonews | 2009-12-30 15:17 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 11月 ~ 「美しく生きる言葉」 中原淳一
c0138704_23513061.jpg9月に、神戸大丸で行われた中原淳一展で購入しました。
中原淳一は雑誌の編集長であり、イラストレーターでありファッションデザイナーであり…多彩
な才能を発揮した人。
私の母の時代の人ですが、今また注目されています。

たくさんの心を打つ言葉のなかで…
「窓を開けたら、新鮮な空気を胸いっぱいに吸って幸せを感じ、
窓辺の植木鉢にも愛情をこめて水をそそぎたいし、
掃除をするなら、そこに住む人にはもちろんのこと、
家具や柱とか壁にまでも、愛情をこめる女性であってほしい。」
この節を読むと、この人の果てしなく女性を想う愛情が伝わってきて
涙がこみ上げてくるのです。

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by nahonews | 2009-11-29 23:51 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 10月 ~La complainte de mortimer
c0138704_20281552.jpgタイトル載せてもどういう意味??
フランス語の絵本だから、実はちょっと読めていない。
17年くらい前にヨーロッパへ行ったとき、Fnac というパリでは大きな本屋やさんで購入したと思う。
画面の面白さ、シンプルなデザイン、紙の質感、
また簡素な製本といい、とにかくかわいい。
何気なくめくったり、目の届くところに置いてオブジェのようにしたりして楽しんでいる。
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by nahonews | 2009-10-31 20:28 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 9月 ~「ホノルルの街かどから」 加藤秀俊
c0138704_11423479.jpg9月半ばに、神戸元町にあるユニークな古本屋さん、トンカ書店で見つけた。
あ、私のためにここある!と変な理由をつけて手に入れた。
35年ほど前の本だが、ハワイに1年間移り住んだ、当時ハワイ大学教授だった加藤秀俊氏の家族の記録。

一週間ほどの観光旅行ではとうていわかるはずのないさまざまなハワイの習慣や人間の姿が書かれている。
また、本の締めくくりには、太平洋を共通の舞台として生きようとしている人間の課題があげられていて、考えさせられる。
…このひろい太平洋の表面の90%が、誰にも所属していない、海の大部分は公海であり、いかなる国家の権力もおよばない。そのことは、われわれにとって、将来の希望にも不安にもつながってゆく…

歴史を学ぶということは、現実を知るということに繋がり、また問題を浮き上がらせ、生きる課題を作ると思う。
ハワイに惹かれるのはなぜか…。自分を知りたければ、まず、惹かれるものを知り、その歴史を学んでいくことだと感じた。
この本の装丁は、粟津潔氏。
表紙、見返し、扉の文様はハワイ諸島の岩に刻まれた絵文字を復刻したもの。c0138704_11425143.jpgc0138704_11433729.jpg
by nahonews | 2009-09-30 11:42 | 私の本だな | Comments(0)
私の本だなから 8月 ~ 「あのみち このみち」 太田大八
c0138704_682173.jpg今月初めにご紹介した太田大八氏のまた違う絵本。
これはたしか姪が幼稚園のころ持っていたもので、ずいぶん経っていらなくなってもらったもの。
この絵本自身も回りまわっていたものらしく、何人かの子どもたちに読まれて、もらったときにすでに本はくたびれていました。
「だいちゃんとうみ」と同じくらい好きで、ときおり開きます。
自分の幼い頃の情景や思いが浮かび上がってきて懐かしくなります。
力強い作風も惹かれるし、詩のようなリズミカルな言葉も好きです。
ですが今、新しい製本のものは見たことがありません。c0138704_617328.jpgc0138704_6172830.jpg
by nahonews | 2009-08-30 06:09 | 私の本だな | Comments(0)