年の初めに、一番心に残っているお話、「スーホーの白い馬」をご紹介します。
このお話は、モンゴルの楽器‘馬頭琴‘といって、楽器のいちばん上が、馬の頭のかたちをしている楽器のできるまでを綴ったものです。 …夢の中で、スーホー(少年の名)は死んでしまった最愛の白馬に出会います。 「そんなに悲しまないでください。 それより、わたしのほねや、かわや、すじや、けを使って、楽器を作ってください。 そうすれば、わたしはいつまでも、あなたのそばにいられます。 あなたを、なぐさめてあげられます。」 そうして、スーホーは夢で白馬が教えてくれたとおりに楽器をつくります。 やがて、スーホーの作り出した馬頭琴は、広いモンゴルの草原じゅうに、ひろまりました。 そして、羊飼いたちは夕方になると集まって、そのうつくしい音に、耳をすまし、一日の疲れを忘れるのでした…。 息子が6歳くらいのときに寝かしつけに読み聞かせていたとき、涙があふれ、おしまいまで読めなくなり、「母さんどうしたん?」と不思議そうに顔を覗き込んできたのを覚えています。 いまでも、読み返すたびに涙がでてしまいます。 優しさと強さを持ち合わせた人間になってほしい…どの世界のどの時代の母親も子どもに望むことではないでしょうか。この絵本は、本当の優しさとは強さを持ち合わせていて、また本当の強さとは優しさからくるのではないか…それを強く感じる貴重な一冊だと思います。 また、赤羽末吉氏の絵は構成、色ともとても雄大でうつくしく、ページをめくるたび、穏やかな気持ちにさせられます。 ※写真の絵本は英語版ですが、読み聞かせたのは日本語版です。
by nahonews
| 2008-01-28 18:56
| 私の本だな
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Comments(2)
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